フィットネス業界に在籍していたころ、弱っていた筋肉が強く、柔軟になり、姿勢も改善され、精神的にも前向きになる方々を多く見てきました。
また、痛みや症状を抱えながらもフィットネスクラブに通い、トレーニングに励んでいる方も少なからずおり、年々その数が増えているという感覚を持っていました。
中でも膝に痛みを抱える方への対応としては、まず「病院に行ってください」と伝えていました。
病院に行った後、再びフィットネスクラブに戻ってくる方々に対して、適切な対処法が見当たらず、「脚の筋肉が弱っているなら、筋トレやストレッチ体操で鍛えれば良い」と安易に考えていたことを思い出します。
今思うと、それがまったくの誤解であり、間違った対応しかできていなかったことを恥ずかしく感じます。
柔道整復師の資格を取得した後も、当初は上記と大差のない運動療法しか思いつきませんでした。しかし、アプライドキネシオロジー(応用運動機能学)を学んだことで、筋肉が弱化するメカニズムを正しく評価・検査する方法を知ることができました。
通常、筋肉の評価は「筋力が強いか弱いか」を基準にするものだと思われがちですが、実際には多くの筋力低下の原因が、電位が反転した細胞や組織から筋膜(ファッシア)を介して筋肉に影響が及ぶことにあるため、単なる筋力テストだけでなく、「伸張反射が起きるか」「持続的な力を出せるか」などの神経学的評価が不可欠だったのです。
これらの評価法や考え方はすでにWHO(世界保健機関)にも登録されており、先進国の多くでは正式な医療として認められ、医療保険も適用されている国もあります。しかし、日本ではまだ一般的に知られていないのが現状です。
そのため、私たちがマッサージなどで「痛いところを揉んでもらって一時的に楽になる」ことがあっても、根本的な原因が解決されないために慢性的な痛みが再発するのです。たとえば、筋膜を介してつながる遠くの関節の靭帯が硬くなっていれば、そこからの抑制信号が筋肉に伝わって筋力が低下し、血流が悪化して痛みが再発するという仕組みです。
つまり、痛みの本当の原因を正確に見つけ(検査し)、そこに対して適切な治療を行う必要があるのです。
当院では、これらの考えをもとに施術を行っているため、どのような痛みに対しても確実な改善へと導くことが可能です。